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平田満氏の穂の国とよはし芸術劇場PLAT アソシエイト・アーティスト退任について

記事の掲載日: 2024年04月01日

アソシエイト・アーティスト退任にあたり

私は2011年から穂の国とよはし芸術劇場PLATの芸術文化アドバイザーを拝命し、桑原裕子さんに後を託してからはアソシエイト・アーティストとしてお手伝いをしてきましたが、このたび2024年3月をもって退任することになりました。 

豊橋に新しい劇場を作るので助言をいただきたい、そしてそこにかかわる芸術監督になってほしいという依頼をうけ、最初は戸惑いましたが、担当の方々の熱心さに打たれ、アドバイザーとしてなら、と就任いたしました。劇場建設計画から名称公募など、初代プロデューサーの中島晴美さんらとともに携わり、建設開始、開館、記念事業と進むにつれ、着実に歩みだす様子に心躍りました。 

私の希望も入れてくださった劇場は、見やすく聞きやすく、演じやすい劇場としてお客様にもパフォーマーにも評判がよく、小劇場は小さい空間にこだわる方々や若い劇団の発表の場として必要不可欠なものになっています。私たちもアル☆カンパニー公演でずいぶんお世話になりました。 

そして市民劇、高校生演劇などさまざまな公演や、ワークショップ、アウトリーチ、創造活動室でのいろいろな活動など、PLATが市民の皆さんに受け入れられて豊かに育っていく姿を見られ、ほんとうに幸せでした。 

現芸術監督の桑原さんのもと、豊橋発の創造活動や楽しい文化祭などの新しい試みや充実した公演は目を見張るものがありますし、現プロデューサーの矢作さんのもと、若いスタッフも集まり成長してどんどん頼もしくなり、もっともっと力強く深化した劇場になると期待しています。 

当初から、大都市ではない豊橋にできること、求められることは規模や見栄えではなく、利用する人々の「よろこび」を持続して伝え続けることだと信じてきました。五輪や万博を見てもわかるように、これからは規模やお金の価値よりも、ひとりひとりの生きる意味や喜びにこそ価値がある時代になると思います。PLATがそれを象徴するような存在になっていってほしいと願います。 

着実に人材が育った今、後進に託して安心して去っていけます。後顧の憂いはありません。どの社会でも新しい挑戦や活性化のために新陳代謝は必要です。私も昨年70歳になりました。年寄りが牛耳ったり、同じ指導者が何年も居座る集団は不健康です。正月の飾り物のユズリハのように、新しい芽が出たら古い葉は落ちるのが自然です。 

とはいえ、私のPLATを応援する気持ちに変わりはありません。これからは一個人としてPLATを見守り支えていきたいと思います。引退とか退職をするわけではありません。ほかにできることがないので俳優も続けますし、シニアになってこそ、自分ならではの活動や恩返しがあるのではないかと考えています。舞台芸術や劇場はどんな人にも開かれているので、PLATと共同作業できるなら喜んで協力するつもりです。 

豊橋、そして東三河、東海地方、日本も世界も変わっていくと思いますが、いつまでも人の心に「よろこび」が絶えないよう願っています。 

長い間PLATという劇場にかかわれたことを感謝します。ほんとうにありがとうございました。 

平田 満

劇場からの御礼

この度、穂の国とよはし芸術劇場PLATを様々な形で支えていただきました平田満氏より、2024年3月末をもってアソシエイト・アーティストを退任したいとの意向を賜りました。

開館前の2011年4月より芸術文化アドバイザーとしてプラットの立ち上げにご尽力をいただき、プラットプロデュース公演として「父よ!」(2013年初演2015年再演 作・演出:田村隆裕)と「荒れ野」(2017年初演2019年再演 作・演出:桑原裕子)を劇場と共に創作し、「荒れ野」(2017年初演)では第5回ハヤカワ悲劇喜劇賞を受賞するなど高い評価を得ました。

また、2018年4月からは桑原裕子さんに芸術文化アドバイザー(現在は芸術監督)を託し、平田さんご自身はアソシエイト・アーティストとして哲学対話などのご自身が大切にしていることを実践する企画を劇場とともに実現してこられました。

アソシエイト・アーティストという肩書きは取れますが、一人のアーティストとして今後とも一緒に活動していただくことにはかわりありません。

平田さんには、言葉では表現できないほどお世話になりました。本当にありがとうございました。
心より感謝いたします。

穂の国とよはし芸術劇場


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